少し冷えた左手を白い月に翳すと/
noman
動かない水の上に
架かる小さな橋に
枯葉が一枚一枚
落ちる
たびに
思い
出してしまいそうになる
地図の上に屹立する白い
直線 とか
影
だけが見えた猫の
鳴き声 とか
煤けた
壁を通して伝わってきた温もり
とか 雲と
雲の間に見える青空が
少し
霞んでいたこと
とか
戻る
編
削
Point
(3)