ミューズへの恋文/ただのみきや
どうかあなたという揺るぎない現実に対して
絵空事のような恋情を描くわたしを許して下さい
これらの時代錯誤で大げさな言い回しは
詩人気取りの馬鹿な田舎者がそれでも言葉だけ
精一杯めかし込んでいると想って頂いけたら結構です
あなたはわたしにとって永遠のアニマ
ひび割れた空の器を満たすミューズなのです
人より長く蛹暮らしの女がいた
周りはとっくに翅を伸ばして甘い汁を享受していたが
ある日ナイロンの月の下
弓で弾くような震える声で
歌ったのだ 遥かな都
水面に揺れる夢の歌を
すると思いもよらないこと
夜も昼もない世界への扉が開いた
オオミズアオはベビー
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