風紋/
田中修子
笑っているうちに
削られ 壊れて
きっと愛とはそういうものなのね
なぜ なぜ なぜ
がらんを抱えて
胸の穴 大きすぎる
喉の乾いた砂漠
たくさんの風がわたしを通り抜けた
雨雲を
鳥の鳴き声を
運ぼうとして
ただ
砂嵐の立つ
いまや風紋そのもののわたし
風の模様だけは無数に残る
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