告白〇魂の穴/ひだかたけし
 
ば十一歳だ
たぶん生きていると思うが
確かなことは言えない

確かなことは
私の魂にぽっかり空いた穴は
もはや塞がりようがないということだ
長男は私が精神障害を患ってからの子供だから余り密な関係になれなかった(もう少し可愛がってやれたらという後悔は当然あるのだが)
けれど長女は私が自宅でコンピュータの仕事をしながら、母乳以外のほとんど全部の世話をして育てた子供だ
やはり一緒に過ごした時間の密度が違う

娘と過ごした十七年間、
何の説明もなく突然根こそぎにされたあの歳月
私は本当に怨みも怒りも鎮めて独り逝くことができるだろうか?

俺という憤怒、
俺というマグマ、
俺という荒れ狂い、

理性などこの荒れ狂う熱海に浮かぶ孤島に過ぎない。

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