告白〇魂の穴/ひだかたけし
った
その上、彼女は絵画が好きでそれは私も同じだったから
週末は一緒に絵画展に行くこともしばしばだった
(何しろ、四歳の時にマグリットのシュールな絵を観て大笑いし
自らも三次元の夢の絵を書いてしまう才能の持ち主だった)
けれど次第に別れた妻が私と長女との関係に
文句のメールや電話をしてくるようになった
ー親権はわたしにあるのに、もはや赤の他人のあなたの所にうちの娘が居着いているのは変
これが彼女の言い分だった
ただ妻と私はもはや赤の他人でも
娘はあくまで二人の間の子供で私にとっての愛娘だった
娘自身、バパの所に自由に出入りできるって約束で離婚したんだからママの言い分変だよ
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