旅立つ日には/葉leaf
 
もりだったのに
生命なんてまやかしに過ぎなかった
冷たい土の上には冷たい道路が敷かれ
僕らはその上を走って生きているつもりだった
しかし生命はまやかしに過ぎなくて
僕らを駆動していたのは生命以外のもの

楽しいことがたくさんあったような気がする
でも楽しいという言葉があまりにも広すぎて
どのように楽しいかいつもわからなくなる
でも楽しいを細分化するとそれはもはや楽しくなくて
衝動のように分割されない楽しみだけが楽しい

詩は夥しく死んでいった
私の紡ぐ言葉もまた詩の死骸である
すべての詩人の詩行は死骸に過ぎなくて
生きている詩行というものは詩ではない
生命を失う刹那
詩は初めて詩になる
生命を持っているとき
詩はいまだ詩ではない

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