日々/飯沼ふるい
いため息で腐っていくだろう
ぼくという人間を
自ら組み立てていこうとする
数々の言葉に疎みながら
呼吸のように
ただひたすら
「いつか」を思う
けれど
生臭い情念のために掘り返される日々よ
ながながと書いたがそろそろオチをつけよう
僕はもう
おはよう、
おやすみ、
そんな単調な言葉をくり返して
あしたのためのあしたへ臨みたい
なんのかなしい修辞もいらない
ただのあした
そこにある
言葉にならない言葉の空隙を
すぎた時間のひび割れを
幸福のための祈りで満たしたい
線香を焚くために燃やした新聞紙が
黒くもろい塵となり
墓地の澄んだ上空をふわふわ舞った
幼いころみたそんな風景が
やさしい隠喩をともないよみがえる
おはようと言う
今日は晴れている
それだけの日々
戻る 編 削 Point(2)