水鳥の夢/春日線香
木の高いところに骨がかかっていて
鳥が面白くなさそうについばんでいる
手にしたほうきでつついて落とすと
地面に落ちたそれは乾いて白い
夜中に夢から覚めて
台所で水を飲んで寝に戻る
さっき上ってきた坂を降りて
奥まった界隈の屋敷裏に入る
すると先程の骨はもう立派に人の形になり
ぼろ布を着込んでうろうろ歩いている
あまり動き回ると関節が外れるよと言っても
自由に歩けるのが嬉しいのか
いつまでもやめない
やがて縁側に招かれて茶など飲む間に
骨の姿も見えなくなった
主人によると由来がまったくわからず
ずっと以前からこの家にあった骨とのことで
いつか供養してやらねば
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