あるいは鉄や果物かもしれないもののこと/はるな
の肉を削ぎ、骨をはずして花をあてがう。足りない。時計から数字を取りさり、針を追って羽をかざる。かざるのでは足りない。板をどけ、ぜんまいを巻き、夢を噛ませる。足りない、あるいは多すぎる。何度もあたらしくはじめる必要がある。そしてはじめたら、辛抱強くつくり続ける必要がある。ときには潔く終わらせなければならない。そのすべては同時に、あちこちで進められる。つまりそれが季節の変わり目ということだ。茉莉花の、老いて重なる茶と緑を埋める時間だ。
[グループ]
戻る 編 削 Point(4)