夏の亡霊/
ホロウ・シカエルボク
ったきみのミルクポーションの容器が軽い音を立てて床に転がる、きみは三度に一度は必ずそれを落とす、おれは無意識にそれを拾い上げてそれをカウンターに戻す、きみはこちらを見ることはないがおれがそうしていることは知っている、それからおれたちはどちらからともなく容器を捨てて店を出る、雲が減り始めた空はウンザリするくらい青い、歩き始めた足音はいつかまたシンクロするかもしれない、でもおれはすでに残像を追い始めている。
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