水平になっちまえ/竜門勇気
ひび割れていくことに
何の感慨もない
爪を立てていた猫に
謝礼を支払えばいい
痛かったことや悲しいことが
あんなに嫌だったのに
手放す時が来ることが寂しい
腹を立てている自分を嫌いになった時
自分のすべてが厭になった
自分の全ては自分で決めれるみたいだよ
歯ぎしりをするたびに
それは望んでしたことなのかわからなくなるだろ
眠りに落ちる時に今から眠りに落ちようなんて思わないみたいに
白くなっていく前髪に
何かを預けることが出来ない
何をしてこうなったなんて
何されてこうなったなんて
どこまで探しに行っても見つからない
生きているだけで
これだけ疲れて
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