宇宙暗黒物質言語域で何度も私ではないと遺棄されるものとは/北街かな
 
というのか、
どこかにほんとうの宇宙があるのならオメガからアルファに向かって帰納的に語りつまびらかにしてくれたらいい、

猫は地球型のきれいな光球の頂上で青く波間のように光り、軽やかににゃーと鳴いている
その生命的な歌をいっそ骨だけの腕で抱きしめようとしたが昇天の後光のなかで一瞬にして闇に消えた
安らかなものはこのようにして常にしてごく儚くて実際に、実在時間が極めて短い
背後でまた電球が割れている
火星がこうもりに衝突して
金星がぱきんとふたつに割られている
どこにも安息の日々は見当たらないぎゅうづめの宇宙のなかで
意識の意志の実在の証明行為をずっと発語する計画的生誕作業がずっ
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