ささやかな煩悶/ひだかたけし
 
西の空が淡い紅に染まり
旺盛に繁茂した用水路沿いの草木たち
一息尽く頃
私は鉛の我が身をベットに横たえ
もういいだろう?もういいだろう?
朦朧とそう空白に問い掛ける

応えはもちろんない
全ての選択肢が己に委ね開かれ
自らの重荷は自ら背負い解いていく他ない

美しい西の空の淡い響き
草いきれの過剰な艶めかしさ
いつか深く分け入り寛いでいた
世界の広がりを想起しながら
私は盛んに寝返りを打つ


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