藤に鴉/
TAT
五光三光
花見酒
ようやくの休みなのだった
TELすると
施設管理責任者は恐縮しながら
もう見頃は過ぎてしまったと
そう言った
でも行った
だって何でも腐る前が旨いって言うじゃないか
だって火も燃え尽きる時に閃いて爆ぜるじゃないか
毎日毎日
毎年毎年
最高の十一分咲きを観れずとも
散って骸の華もあろうさ
猪か鹿か蝶の背に揺られて行きたかったが
そこは中古の普通車で
行ったら
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