デリシャス・メニュー/ホロウ・シカエルボク
 
眼窩は窓から差し込む色とりどりを
ひとつ残らず飲み込んで
そしてずっと記憶しているだろう
砂浜には骨の欠片が無数に散らばっている
波はそいつらを
果てしなく食らい尽くすやりかたを知っている
墓標に刻み込まれたあいつらの名前は
何故あんなにも煌めいて見えるのだろう?
祭壇で憐憫が見事な花弁を開き
たちのぼる煙は緩やかな戦慄をなぞるようだ
もうそれ以上どんな痛みもないことを知ったとき
俺たちの亡骸を神は頭から食らうのだ


戻る   Point(1)