一人ぼっちのピース/卯月とわ子
 
ソファの下に隠れていたジグソーパズルのピースが一つ
綺麗な青のそれはいつかのパズルの空

わたしは貴方というパズルのピースに成れているだろうか
複雑な絵の貴方を構成するピースの一つに
真ん中あたりは貴方にとってもっと大切な人やモノだろうから
わたしはきっと端の方の一つ

貴方の心模様で変わるパズルの絵柄は
昨日のものには戻れない
けれど
明日の絵柄は昨日のそれがなければ出来上がらない
そんな貴方のパズルの絵柄
わたしは成れているだろうか
貴方というパズルのピースの一つに

一つでも欠けてしまえば意味を無くす
小さくて大きなパズルのピース
貴方にとってわたしが代わりの利かない存在なのだ、と
誰かが言ってくれればいいのに
それだけで自信が持てるのに
貴方は無口だし
類は友を呼ぶ
貴方の周りの人たちも良くも悪くも想いを口にはしない

ソファの下でのかくれんぼを終えた青いピースは
もうその役目を果たすことはできない
だって
あのジグソーパズルは完成する前に処分されてしまったから
一人ぼっちの青いピースは
今のわたしにそっくりで
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