俺は自称詩人ではない/花形新次
どん詰まりの人生から
あるいは
眼前の大きな障害から
目を逸らすために
自分で蒔いた種を
なかったことにするために
自称詩なんか書くんじゃない
詩は逃亡者のためにはない
現実と懸命に格闘している
生活者の呟くひとこと
そのひとことが
誰かの胸に響いたとき
詩となって
誰かの記憶に残る
かも知れないし
残らないかも知れない
そんなこと
どっちだって構わない
何故なら
俺は、おまえらと違い
単に生活者なのであって
ゴミのような自称詩人ではないからだ
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