馬鹿ってばかりの国/ホロウ・シカエルボク
 
ルなのに!先生、スタートを教えて、先生、あの奇妙な音色のホイッスルを頬っぺたを膨らませて懸命に吹いて、もう二度と逃げ込むことの出来ない思い出の保健室で置きざられた少年たちが共食いを始める、嘘だって判ってた、こんな都合のいい場所なんて本当はないんだって、馬子にも衣裳で臨んだ成人式のあとで身を隠したのは、生きやすいというだけの形骸化した通電しない基盤の上、弾を抜かれたマシンガンを所持することだけが許される、もの言わぬ銃口が僕らのアイデンティティー、終電を逃した線路でトリガーが跳ねる、下手糞な口笛のように、フレットを抑えきれないアコースティック・ギターのストロークのように、ダイヤモンド・ダストのようだっ
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