ご旅行ですか、お嬢さん/ただのみきや
 
樹木の恥じらいが小鳥の逢瀬を覆う頃
光を浴びてあなた
光を断って歩き
文字から浮き立つイメージのように
境界を越えて往く
今朝の雫にふるえながら幼さを脱いだ
蝶のように 華やぎながら
――海を越えて



       《ご旅行ですか、お嬢さん:2017年4月29日》

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