メッキ/虹村 凌
 
車輪の下ほど甘美でも無いが
歯車の間ほど滑稽でも無い
それを中途半端だと自嘲もするが
どこかで信じている
未来は俺らの手の中だと

いや
それもどうか分からない
握った限りの砂なのか
いやその上に立つ城なのか
俺の目を覗き込んであなたは言う
未来がどこにも見えない

いなす様に笑う
メッキ加工の人生
ジルコニア
スワロフスキー
恋と性欲の曖昧な境界
愛と未練の明確な輪郭

後ろ向きに歩くから
今までの景色がよく見えるけど
後ろ向きに歩くから
背中は振り返ってもよく見えない
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