かまぼこ/春日線香
 
視して
疾く仏界に帰還していただきたい
帰命頂礼、帰命頂礼……
かまぼこ、かまぼこ……
しかしわたしがかまぼこのような
生臭ものであることはまったく確かなことで
金剛としては見逃すはずもなかろう
布団の中で震えていると
結局は金剛杵で素切りにされて
うどんの具にでもされてしまうだろう
つるつると胃の腑に収まって
そこで煩悩を燃やされてしまうことだろう
それならそれでいいかもしれないが……
などと一人相撲は延々と続き
もはやきりもない
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