かまぼこ/春日線香
朝から部屋で臥せっていると
唐突に金剛力士がやってきて
口元を引き締めた形相で見下ろしている
それがあまりに突然の出現だったので
なんの心構えも用意もできておらず
ただただ驚愕して畏まるばかり
しかも恐ろしさでは三界に名の知れた
あの金剛が現れたのだから
これは畏まらないほうがおかしいのだ
一体どのような科で責められるのか
あれかこれか、心当たりがありすぎる
あまりにいたたまれない
目を合わせるとどうなることかと
布団を頭まで引き上げて丸まり
わたしは寝床にくっついたかまぼこだ
それでなくともなにか練り物のような
とにかくそんなものだ
だから惨めなかまぼこは無視し
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