月の町 お題、即興ゴルゴンダ(仮)より/田中修子
く白い塩をすこし舐める。そうして喉の渇きがひどいので町の真ん中にあふれる噴水に直接口をつけて腹がふくれるまで飲む。時たまのごちそうはバケツにためた季節の甘い雨水だ。
太陽にあたらずむだな栄養をとらなかった結果、年齢のあらわれやすい首元さえどこまでもなめらかで、年をあてることは難しい。ただ、あの少女は月の町に入ったときから、同じ姿でもう数十年いる、と、遠くの町の監視塔から月の町をのぞく監視人が胸につぶやくのだ。
彼女たちはおのおのすぐれた能力をもっていて、月の町に出される手紙にこたえることで外の世界とつながっている。町の住人になりたいと手紙で乞う、ほかの町のほんとうの少女たちに、
《き
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