それでも料理は嫌いじゃないのです/そらの珊瑚
ると
がっかりすることもあるけれど
残してはいけませんと
小さい頃から刷り込んできた呪文のおかげか
不味くても子どもは食べる
だから作った私も残すことは出来ず
夫はソースなどをかけたりして誤魔化しつつ食べる
私がいつかいなくなり
子どもたちがおふくろの味なんてものを恋しがったなら
願わくば花の咲くころ
差し出してあげる味は
たぶんそんな失敗作という思い出だろう
羽生くんだって時々ジャンプは失敗するじゃないか
だけど
失敗したからってそれがなんだろう
失敗して点数が低くても
それは彼を一ミリも損なわない
ロボットじゃないのだから
失敗したり成功するのが人間だか
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