欠けた空、忘れた海/相田 九龍
 
うとしているものの儚さを思う

僕らはうまく死ねない
生き方を選べても
死に方は選ばせてもらえない
なんだか自由じゃない

「俺もどうすれば海で死ねるのか、ずっと考えてる」
61歳の冒険家のふとした言葉を
今も覚えている

6800の島からなるこの国で
人が住むのは200余り
手漕ぎの船で冒険して
一人きりで夜空を眺めて
そこから見える景色を僕も見てみたい

どこにも行けない、なんて思いたくないから
どこにも行けない、なんてどうしても思いたくないから
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