/紅月
 
、わたしたちの会話がとぎれるたびにみずか
らの羽根を嘴でむしるようになった。引き抜かれるたび、鸚哥のからだには黒い血が滲
み、つやめきを失くしたたくさんの羽根がひらひらと宙を舞った。閉ざされた部屋のなか
にふわふわした雪がおどり、わたしたちははげしい凍えのなかにひとつづつ虚飾をうし
なっていく、


そして
そのあさ

今冬いちばんのさむさだった、
目覚めると部屋の隅で丸くうずくまっている鸚哥のからだにはもうほとんど羽根が残って
いない、ただただ小刻みにふるえるあかい皮のかたまりがそこには転がっていて、いつも
と違う様子に、創傷まみれのみにくい手であわてて掬いあげたけれ
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