高層ビルの展望室/坂本瞳子
 
否定のしようもなく
抗う術もなく
自らの欲望の赴くままに
何度でも何度でも
貪欲さを剥き出しにして
さらにまた繰り返してしまうのだ

その姿は正に阿呆
ほかになんと呼びようもなく
あれはただの阿呆だ
どんなに足元がふらついても
目眩がしようとも
こめかみに痛みを覚え
渇いている耳に水が詰まったような感覚に襲われ
それでも止めることができない
ただのアホンダラだと
良く分かっている

そしてまた今も向かう
高層ビルの展望室へ
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