きっとその先に/
倉科 然
社会という尺度に弾かれた私は
だんだんと薄くなる紺色の空を見て
ああまた無為な一日が始まると
ベッドに沈み目を伏せる
この痛みの最中
もし一筋の光があるなら
それはきっと
朝焼けでもない
携帯の薄明かりでもない
ましてやその中の人間のつながりではない
あなたの痛みはわかりません
あなたの苦しみはわかりません
あなたの家族でもありません
そう言いながらも一緒にいてくれる人間だ
あなたは一人ではありません
そう言ってくれる人間だ
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