男の子のまま/秋也
 
僕は砂場に丸を書く
僕は砂場に丸を画く
僕は雨の日砂場で丸をなぞる
指でなぞる丸
僕は僕の指で丸を書く今日
僕は僕の指で丸を画くだろう明日
僕は僕の指で丸をなぞった昨日
丸を新しく砂場につける
誰かが作った砂の城の周りを丸で大きく囲う
何にも可笑しくないんだ
だっても誰も笑わないから
ある意味すごく真面目な話だし
砂場で丸を
人差し指で
少し深いところにある土に近い色の砂
爪に喰い込ませ
丸をつける
丸をいくつも重ね
暑くじりじりした晴れの日も
それは疲れたら木製のベンチで休むこともあるけれど
丸を重ね重ね
丸を大きく
丸を小さく
書く指で
隣で一緒
[次のページ]
戻る   Point(1)