楽園行きの列車/stereotype2085
 
 歩道橋の向こうに見える 廃ビルはやけに冷たくて
 服のポケットにいれた夢でさえ壊していくような

 誰かが歌うこの星の讃美歌に
 出逢えるのなら もう一度だけ 歩き出そう


 楽園行きの列車が駆け抜けていく 一瞬のまばたきさえ許さないように
 通りすぎた過去のあやまちさえぬぐって


 孤独な少年が 旅する路地裏は荒れていて
 スーツの袖に隠した夢でさえ奪いそうだね

 産まれた時に見た あの日の幸せな笑顔に
 出逢えるのなら もう一歩だけ 進みだそう


 楽園行きの列車が疾走していく 夕雲に照らされても 終わりは知らず
 何度でも犯すだろうあやまちでさ
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