塊/カンチェルスキス
 
 




 裂けた肉から
 あふれだす血を
 忘れかけた酸味を思い出した
 壁時計の下で壊れてる
 置時計の針の行方は
 壊れてる壁時計の針の行く末
 通りの先で雨が傘に遮られ続ける
 かなしいとつぶやく間もない心臓に
 からみつく蔦が一心不乱に腐ってゆく
 カーペットのくぼみに落ちた髪の毛の影が
 震えている
 重力があって何になる
 俺は殺す手を止めて
 払いのける手を
 売った








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