嘘/tonpekep
 
空には50億年の嘘があって
それを雲が運んでゆくのです

遠い物語が砂漠を歩くとき
羽のあるものだけがそれを読むことができるのだ

私は知って
そして知らない

私は嘘を繰り返す
それがたぶん私の輪廻だろう

たくさんのそして無数の生きていく形
呟けばそれが詩の車輪であったりする

崩れそうな思い出は
ときどき美しく発光する

こそこそと話す未来は
私を勇気づける

血は巡る
時間の中を

時間は詩でありたいといつも願っているけど
時間には動力がない

誰かの溶けるとき
そこに残る思考

風が立てば
嘘でなくなる

空き缶拾いのように
私は真実を回収する
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