行き倒れ/坂本瞳子
 
目眩がしそうなほど
ぶちかまされた現実は
あまりにも
残酷で美しく
否定することさえできず
ただそこにあるそれをそのまま
受け入れることしかできない

渇きは潤されると
思わない方がいい
そのまま干上がって
干からびて
朽ちていくだけ
最後の一滴まで
搾り取られて
枯れてゆく

嗄れた
打ち拉がれた
こんな身体で
跛を引いて
傷口を広げ
流血を止める術を知らず
痛みを共有することもなく
歩き続ける


歩いている夢を見ている

未だ夢の途中
これから先もまだしばらく
うなだれていよう
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