残雪に鴉/ただのみきや
 
らないまま
             翅をふるわせ
           花は      匂い


   一枚の紙が朝を隔てる
書き崩れて 灰

残されたイメージは栞のように立った
    どこまでも続く白紙のページ

 残雪に
     鴉

帰らない旅に繰り返し現れて
   あなたの
       わたしは





               《残雪に鴉:2017年3月29日》







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