地底トンネル/坂本瞳子
 
力強く踏み付けた地面に
穴が空いた

穴は細長いトンネルになって
どこまでも落下して行った

割と早いスピードで
うねうねと
蛇の身体のように
なだらかなカーブを描いているように思えたが
暗がりが続いて景色は良く見えなかった

不思議と恐怖感は沸き起こらず
だからと言って楽しいとも思えなかった
頬は紅潮していたらしく熱は持っていたが
逆らう風が冷たく心地良かった

短い髪が逆らって流された
四肢を動かすこともなく
瞳はなにかを見ようと必死だ

肩幅に開いた両足そのままで
心地良いスピードで
堕ちて行った

行き着く先のことは考えずにいよう
今のうちは
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