旅について/梅昆布茶
 


旅がもし日常の中に潜んでいるとすれば
僕達は何処にもとびたてない愚かな鳥にすぎないのかもしれない

月の満ち欠けにいのちをふきこむものが風だとしたらならば
僕達の望楼は遥かな砂漠の果てにみえかくれする夢なのかもしれない

誰も望まない命題をちょっとひねこびた魂ばかりでひた走る
きみという仕組みをいまだに理解できない僕のままで生きている

旅が始まるまでに命が終わってしまうのならば
ためいきが充満する今にふんわりと軟着陸してみる

射抜かれた現在を生きることで埋めてゆくさ
墓標をなぞるように陽は落ちてゆく

















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