大空のカイト/天野茂典
 

   
  糸であやつられたカイト
  空をへんぽんと翻る
  だが糸がなければ
  凋落する
  自由ではない
  手に結ばれることによって
  初めて自由になれるのだ
  これは一種の定型ではないか
  定型の中で生きる詩もある
  短歌や俳句だ
  自由詩ももしかしたら
  詩人に規範が与えられ
  そのフォルムのなかで
  かかれる定型であるのかもしれない
  糸を離したら
  それこそカイトは自堕落になる
  ぼくらはいつもカイトの糸を
  しっかり結んでいなけばならないのではないか


  大空のカイトはまぶしすぎる



               2005・03・09
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