一巡/
串
砂糖菓子を齧った
あれらはきっと今日もだれかの血肉になり続けている
そしてまたさよなら
あのこの日常にわたしは居ない
陸続きなのに、別の星のように遠いそこには雪がまだ積もっていますか
グレーのカーディガンに染み付いていたはずのメンソールの匂いはあっさり消えてしまったね
季節がひと巡りして、空は灰色
しずかな雨が滴る公園には桜はまだ咲かない
まるでふるさとみたいになった街の、そこかしこに散らばった記憶
雁字搦めにされたわたしが道路の真ん中に横たわっていた
戻る
編
削
Point
(4)