一巡/
 
砂糖菓子を齧った
あれらはきっと今日もだれかの血肉になり続けている

そしてまたさよなら
あのこの日常にわたしは居ない
陸続きなのに、別の星のように遠いそこには雪がまだ積もっていますか
グレーのカーディガンに染み付いていたはずのメンソールの匂いはあっさり消えてしまったね

季節がひと巡りして、空は灰色
しずかな雨が滴る公園には桜はまだ咲かない
まるでふるさとみたいになった街の、そこかしこに散らばった記憶
雁字搦めにされたわたしが道路の真ん中に横たわっていた
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