不器用な絵描き/
秋也
ぼやかしてぼやかして
ぶちまけて
なぞるなぞる
刷毛や筆
絵具が盛り上がり厚みをます
キャンバスは紙や布だけにあらず
魂を塗り込み
僕と他と感情と世界を塗りたくる
絵が下手で描けないから
技術は伴わず
絵が大好きで
それでもだれにも理解されないから
叫ぶことと描くことは一緒
ある春の正午
青空と伸びた雑草とトラ猫と僕だけが
ちっぽけだけど強大な何かと向き合う
今年も汗ばむほど温かくなってきた
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