砂粒のように紡ぐ/秋也
 
便りと契
昔からの名残
液体に溶けた塩
むき出しの白と汗
体温より高く
熱冷めず
より遠くへ
ひどく風荒む海岸
ゆっくりゆっくり
波は収まらないんだ
樫の木の杖
光沢帯び
古に妖しさ
かじかむ指はもどかしく
伸ばしても伸ばしても
触れられず
全てが鈍っていく
水しぶきが凍り
僕の頬を打つ
懐かしさは寒さと永遠
思い出せない夕日
今日と今だに
雷光だけがつんざける
いつかの微睡みへ続け
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