ささくれ立つ蔦の一振り/黒川排除 (oldsoup)
 
青空の彼方に黒煙のもうもうと立ちのぼるのを見る
一匹の小鳥は 枝につかまりながら悄然と錆びていた
次に炎が見える時 それは爛々とうごめいているか
子供たちは黒いマスクを被って物陰を抑えていた
湿った いくつかのサインは吐き出されて回った
影を残して皆は残らず蔦になってしまった

ねむりを飲み込みながら 葉は鳥のように飛び 
まわる波紋の上を秘密が 木の魚のように潜る
人為によれば霊魂を呼び寄せ鎮めうるかも知れぬ
ウッドフィッシュ あらゆるものは今見えなくなった
おまえが削り出されたという新緑のケヤキも

漠然とした長さでぶつ切りにされたもの それは記憶だった
灰はいくら
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