カテーテル/5or6
何千、何万回と
細い管を体内に入れて
排出するために
カーテンで遮るような社会
赤い手帳が福祉の窓口に置かれ
自動ドアが開き
外からの風が吹いて
折り紙で作った鶴のように飛ばされる
世界
娘が生まれて
僕は
知った
三人で
手を繋ぎ
歩く事の
ありがたさを
お菓子は一つ
レジに出して
ありがとうと
礼をする娘に
育ててくれて
ありがとうと
嫁に礼をする
さらさらとした肌を触り
最初にごめんねと涙を流した
生まれたばかりの声を聞いて
生まれてくれた意味を知った
これから始まる
いくつもの困難な出来事を
たとえ管を
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