詩絵/ただのみきや
かが
めくるめく明滅と骨より深いところから来るふるえのなかで
唇は濡れたまま 滴ってさえいた
開かれるシカイ
芽吹きすら纏わないまま樹々の礼賛が続く河沿いの道で
刺し止めた青い画布からこぼれ落ちる
シニイタル(裸の王様の)純白の衣はおぼろげに
目に触れられ 止まった象形の動き出す音に
意は息し ゆらめいていた
シニイタル同伴者として
白の失墜――衣の透過 ああクライマックス!
ぬかるんだ大地は半身を飲み下し 残りは風が喰らおう
――――春よ春 シを喰らうシ 王を喰らう地母神よ!
観劇せよ
錯覚の雨が無数の瞳の孤児に慈愛を揺すって見せた
忘れ去られて 腐り 蘇る(裸の王)
シエを纏い演じ続けながら同伴者は目覚めさせる
風と大地へ捧げられたもの 誰かの幻の中に
《詩絵:2017年3月8日》
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