スライス eyes/藤鈴呼
 


くり貫いた目玉に映るスライス
お子様ライス
生卵
半分だけ とろけたチーズ
ぐちゃぐちゃに かき混ぜる役目はフォーク

陥るばかりで
夢の隙間については
それほど深く 考えたことが なかった

本当は もっと本気で 熟考すべきだったのかも 
知れないが
いかんせん 煙たいハンカチが 視界を染めていて

砂埃よりも 雪の舞う季節柄
それらは ちょっとだけ突出した 桜の蕾よりも
はるかに目立った

わしゃあ寝るばい
何処の台詞なんだか 分からないけれど
布団を丸めたままで 呟くと
枕が 飛んで来た

そのまま ふわふわの豆腐に ぶつかって
はじけたかに 思えたが
夢は そこで 途切れた

違う
私が欲しかったのは オムライス
出来れば 甘くないやつ

塩ぱっぱ
そのくらいが
丁度 良いのですが

叫び声が 響くから
もう 人匙だけ
甘味を足そうと思うのです
いかがでしょうか

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