経路/
noman
扉は深い石の空間に吸い込まれ
ずっと撒かれていた水も
全て乾いてしまった
上り坂の向こうにあるはずの
交差点
そこを伏し目がちに横切る人の
表情がはっきりと見えた
新しい写真の周りには程よく
冷えた空気
靴底は随分柔らかくなった
乾いた砂の音が少し聞こえる
夜は隙間がある方がいい
それで
知らない言葉にも満足できる
床を重々しく
叩くときの手の痛みにも
すっかり慣れた
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