美しいひと/日時計/
ただのみきや
らでもいるだろう》
午後四時を回った影が遠くから鳴り響き
瞑った目の中は嵐の港だった
――光を反射しない真っ黒い柱
私は美しいひとを想い
彼女の言葉を想い
ただ光の方へ
私も光の方へ
向き直ろうとしたその時
大きな手が私をペンのように掴み上げた
黒いインクがいくつも滴り落ち
撃たれたように夜が覆う
《美しいひと/日時計:2017年3月4日》
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