春〜graduation〜/讃岐どん兵衛
澄んだ空 霞がかる頃
蕾は次々と押し出され
揺れるまだ冷たい北風
自然と近づき合った 間もなく
また明日ね と迎える未来から
また今度ね と迎える未来へと
僅かな変化 少しのズレ
今ならわかる
咲き始めた 花となり
並木道を歩きながら
振り返る 隣を歩く君の面影
再会したかのような喜びは チクリと痛む瞬間だった
将来の夢を語る時の
君はとっても眩しくて
制服に隠しきれなくなった思い
外れたふたつ目のボタン 何気なく
留め直そうとしてくれた君の手に
本
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