心/水菜
心を疑うと実母に電話で言われ、
ああこの人は、還暦を過ぎて尚、心が純粋であったのだなぁと眩しく思った
肉親に傷つけられすぎて傷つくことに慣れた私の心は
年を重ねるごとに、まるくまるく丸みを帯びて寛容になっていく
澄んだ小川がそこにあるなら
汚れた手足をすすげるけれど
汚れた沼では
よりいっそう汚れていくでしょう
澄んだものをみたい
目にしたい
触れたいと願って来たけれど
きっとそのような澄んだものは、汚れた私には程遠い
睡蓮の花のように
汚れた場所にこそ綺麗な花を咲かせるあの花のように
なれるのならば
私は、まだ少し違ったのだろうか
澄んだ小川で汚れた手足を洗ってしまえば
汚れは、小川に流れていくのだ
ねぇ、自分だけが良ければ良いの?
私の課題が広がっていく
あの曇り空の向こうに
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