少年/呼無木
 

     それがわたしの日課である
     けれど 時折通り過ぎる車が
     彼らの破片をぷちぷちぷち
     ぷちぷちっ

     幾百匹のカエルの白い腹
     幾百匹の紫にふやけたミミズの肉片
     幾百匹の忘れられた肢体

     心なしかすっぱい匂いもするのは
     そのせいなのだろうか

     ひょっとしたら彼らと同じように
     一昨年死んだじいちゃんも
     帰ってこない犬のマリも
     この坂のどこかで
     雨水に打ち揚げられているような
     気がして


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