春だから五つの短歌/印あかり
 

コンクリート塀で爪を削ったら香ばしいかも春の日和に


春の雨青いペディキュア塗ったのに取りだす長靴の中には蜘蛛


風船のゆくえを見ていた昼下がり友の顔が思いだせない


東風吹けば自転車のろのろ焼きたてのパンの袋がゆるゆる萎む


クッキーを零してしまった春ショール咎める母はここに居ないし


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